絶対王者・羽生結弦氏が今季をやや低調に滑り出すも、16ヶ月後から逆算すれば「順調な好発進」ととらえて問題ない件。|ブログインデックス

この世の果てまで、残り16ヶ月!

2016-2017フィギュアスケートシーズンの始まり、それはすなわち平昌五輪へつづく一本道の始まり。五輪の日付が下手に2018年になっているぶん、ついつい余裕をかましてしまいますが、残り時間はもう16ヶ月しかありません。試合数自体が少なく、ステップアップに時間がかかることを考えれば、緩やかに五輪へのスタートを切ったと言ってもいいタイミング。ここから2018年2月まで真っ直ぐ駆け抜けることができるかどうか、祈りながら見守る時間となりそうです。

有力選手が各地で始動する中、絶対王者・羽生結弦氏も今季の初戦オータムクラシックを迎えました。プリンスの「Let’s Go Crazy」で演じるショートプログラムは、のちにISU公認大会での4回転ループ初成功と認定されることになるジャンプを決めるも、88.30点と自己ベストには遠く及ばない得点。さらに翌日のフリーでも4回転ループは再び決めるも172.27点。合計260.57点は、大会自体は優勝したとはいえ、「やや低調な」滑り出しというところでしょう。

しかし、そこはむしろ、ポジティブにとらえていきたいもの。

目の前だけ見ればやや不安も覚える仕上がり具合ですが、視界の先には平昌五輪が常にあります。2018年2月に到達すべき位置から逆算して「16ヶ月ぶん後退」したのが今です。自分自身の心技体の頂点を2018年2月に持っていくために、全部の布石を打っていきたい。そのときに、個人的にひとつ気になっていることがあり、その解決につながる「低調さ」なのかなと思うのです。

強すぎるがゆえに、記録としては他を上回っているがゆえに目立ちませんが、羽生氏は「ここ一番」の大勝負、シーズン最後の大勝負に決して強くありません。まぁ、これだけの成績を残してきた選手に言うのは憚られる表現ですが、「最高の羽生結弦を最大の試合で出すことがそれほど上手ではない」とでも言えばよいでしょうか。一番いい演技をする試合は、最大の試合の手前であることが不思議と多い。

過去2シーズン、GPファイナルで優勝しながら、上位勢はほぼ同じ顔ぶれで争う世界選手権では敗れています。五輪と世界選手権で勝利した2013-2014シーズンも、GPファイナルではライバルを頭ひとつおさえながら、五輪・世界選手権では薄氷の勝利となっている。もちろん、大きな試合の難しさはあるでしょうが、ほかの選手が「少し上げてくる」局面で、羽生氏は「少し下がっている」嫌いがあるように感じます。

このままでは、この世の果てに至るのは難しい。

世界記録や自己ベストが「五輪」「世界選手権」で出ることが多いのは偶然ではありません。長い時間をかけて、その日を目指して自分のピークをもっていくからこそ、その日に「最高」が出る。自分の最高を引き出すための尋常でない努力や節制も、「五輪」「世界選手権」だからこそできる。人々のサポートや期待も、それだけ大きくなるからこそ、自分ひとりでは出せないチカラまで出る。逆説的に言えば、「五輪」で最高の自分を出せずにキャリアを終えた選手は、その選手の持てる限界に到達することができなかった選手だと思うのです。

すでに世界最高記録も樹立し、五輪の金も獲っている羽生氏がそれ以上を求めるなら、「五輪で自身の持つ世界最高記録を更新して金メダル」という状況は最低限必要で、その上に人間ドラマが乗ってくるくらいの「全部入り」でないと難しいでしょう。現時点で羽生氏最高の試合を問えば、「人間ドラマとしてのニースの世界選手権」「勝利としてのソチ五輪」「記録としての2015年GPファイナル」あたりで意見が割れるでしょう。もし、それを束ねるような決定版が出るとすれば平昌五輪しかあり得ない。

そうしたことを考えていくとき、大舞台に最高の自分を出すための手応えを今季はつかんでおきたい。具体的に言えば、世界選手権で今シーズンベストの試合をやり、かつ勝ちたい。そのためのコンディション作りやピーキングをシーズン単位でトライし、「いけるな」という手応えをつかんでおきたいのです。今季の課題として。

単刀直入に言えば、羽生氏は仕上がるのが早すぎるのではないかと思っています。「誰にも負けない、全部勝つ」精神でシーズンを戦えば、秋口から春先までずっと好調を維持しなければいけないわけですが、人間のカラダはそういう風にできていないでしょう。野球でもサッカーでも1シーズンずっとイイなんてことはありません。強さの中にも波というものはあり、どこかは高くなり、どこかは低くなる。

羽生氏はその波を最初から高め過ぎているのではないかと傍目には思うのです。もっとジンワリと静かに立ち上がり、シーズン序盤は「おや?」と思われるくらいで進み、年末あたりからドーンと上げていく。いい意味で「抜く」ところを作っていけたら、イイ波に乗ってシーズン終盤の大舞台を迎えられるのではないかと。

オータムクラシックは、野球で言えばオープン戦に相当する段階。むしろ、ココで万全に仕上がっていたら、大事な五輪のプレシーズンが不安になります。4回転ループという、平昌五輪の戦いで絶対に必要な3種類目の4回転が実戦投入段階に入ったこと。心配された各種のケガや病気が、一応の落ち着きを見せたこと。本人に「すぐ練習したい!」という意欲が満ちていること。それで十分ですし、それ以上はまだ必要ない。そもそも、左足の靭帯を傷めたあとの復帰戦ですし。

来年の「3月」を見据えるという意味では、現状の低調は将来の順調と言えるのではないでしょうか。そして、来年の3月にイイ状態に持っていけたなら、再来年の「2月」にイイ状態に持っていく方法も確立されるでしょう。こうしたジンワリとした立ち上がりを大事な五輪のプレシーズンにできるのは、自分のポジションを確立することを考えなくてよく、低調なままでも序盤の勝ち負けはちゃんとできるだけの地力があるからこそ。じっくりと見守っていきたいものですね。

↓ということで、ファーストインプレッション程度の軽い気持ちで今季の演目を眺めていきます!まずはSP「Let’s Go Crazy」!

出来栄えはまだまだだけど、コレは絶対盛り上がる!

「ライブで盛り上がる」ことが一発目で確信できる演目だ!

衣装は…慣れると思う!黙って慣れよう!

プリンス パープル・レイン/ポスター Prince Purple Rain フレーム付

価格:5,980円
(2016/10/3 04:17時点)
感想(0件)

スタンドカラーのシャツに、さらにジレでも羽織ったかのような衣装。羽生氏には珍しい白パンツは、「いつもと違う」感が満載です。「Dearly beloved!(親愛なるみんな!)」のタイミングでジャッジの方角へご挨拶をするなど、曲はもちろん歌詞も意識してのパフォーマンスであることがすぐにわかる滑り出し。何となくエロい。

最初のジャンプは世界初成功の4回転ループ。両足を180度まで開くイーグルから入り、着氷後もイーグルで抜ける、イーグループィーグルはいきなりのスゴ技です。そこで一回キャー!って言わせたあとに、ズンタッズンタッというリズムに合わせてニヤリと指を鳴らすなんて、盛り上がらないワケがない。

お客がキャーキャーなるであろうステップのあとは、4回転サルコウ+トリプルトゥループを狙ったコンビネーション。昨季は4T+3Tという構成で臨んだコンボも一段グレードアップしました。つづくフライングキャメルスピンは、スピン自体は昨季と同様のものですが、終わりがけのところに「If u don’t like」の歌詞にハメた振り付けがあることで、スピン⇒即ダンス!という展開になっており、大変さはグンと増しました。直前のジャンプで滞れば、スピン終わりの振り付けが大きく遅れてしまいみっともなくなります。かと言って、スピンをはしょればレベルをとり逃がす可能性がある。リスクを承知で盛り上げを目指した、非常に意識の高い構成です。

全体的に歌とのシンクロが強いこの演目。電話が鳴れば受話器を持ち上げ、ハァハァという喘ぎに合わせてそれを遮るように腕を振り乱すなど、「キミはプリンスか!」というほど歌の内容を歌通りに羽生氏は演じていきます。その極めつけと言えるのが、演技後半のトリプルアクセル。何とココでは歌の「Oh, no Let’s GO!」に合わせてジャンプを跳ぶという離れ業。「自分のタイミング」ではなく「プリンスのタイミング」で跳ぶことを自分に課すとは、自分イジメにもほどがある!

その後もシットスピンの途中で「Let’s GO!」に合わせて腕をパッと伸ばしてみたり、ギターソロに合わせて何かエロいのけぞり大開脚を披露したり、最後の決めもプリンスのシャウトに合わせるなど、徹底した「歌ハメ」ぶり。ライブで一番ノル曲というのは、お客が一緒に叫んだり、一緒に踊ったりするものですが、この演目はそういう存在になりそう。遠くで眺めるだけの羽生氏から、一緒にクレイジーに騒げる羽生氏へ。プロスケーターになった際の「羽生氏発声可能公演」での再演が早くも期待されるナイスエンターテインメントでした。

↓そして久石譲さんの曲で演じるフリーの「HOPE & LEGACY」!

SPがエンタメ路線で、フリーはクラシック路線!

両方できるほうが凄いし、両方観られるほうが楽しい!

蒼い炎 [ 羽生結弦 ]

価格:1,512円
(2016/10/3 04:20時点)
感想(239件)

曲調も衣装もTHE・羽生氏といった感じの新プログラム。「肩のヒラヒラがリンクに落ちたら1点引かれるのやろか…」などと心配にもなりますが、ヒラヒラしてるほうがカワイイのでいいでしょう。冒頭は4回転ループから入り、4回転サルコウへと高難度のジャンプがふたつつづきます。フライングキャメルコンビネーションスピン、ステップシークエンスとつづく流れは、祈りを捧げる希望の舞のよう。昨日ハァハァやってた人と同じ人とは思えないほど、なかなか振れ幅が大きい!

その後は再びジャンプが連続する場面へ。まずはトリプルフリップから入りますが、昨季の演目では序盤で3つ連続でジャンプだったものが、フリップが少し後ろにズレてきました。あと数秒遅らせれば演技後半の1.1倍ボーナスがもらえる位置にあるのは、たまたまでしょうか。すでに後半に入れているつもりなのか、あるいは来季はフリーで6つのジャンプを後半に置くための練習なのか。何やら仕掛けがありそうな配置です。

その後は、4S+3Tを狙ったコンボ、単独の4T、トリプルアクセルからのコンボ2つとジャンプを畳みかけます。完璧に滑ったときに想定される4回転は4つのようです。演技終盤のトリプルルッツと合わせると「4Lo、4S、3F、4S+3T、4T、3A+2T(両手を挙げる)、3A+1Lo+3S、3Lz」というのが本来イメージした構成でしょうか。実際に跳んだのは「4Lo、4S、3F、3S+2T、4T、3A+2T(両手を挙げる)、3A+1T+1Lo、3Lz」ですが、まぁここから上げていくということで、ほどほどでいいでしょう。これだけミスが出ても、この大会ではしっかり勝ちましたしね。

↓表彰式では台の上でスマホを取り出すミーシャ・ジーに大ウケしながら、記念の1枚をパチリ!


台の上でスマホ出すのはいくら何でもダメだろwww

シェアに人生を毒されてるぞwww


↓で、撮りましたのがコチラのお写真です!

#PodiumSelfie

Misha Geさん(@mikibear8)が投稿した写真 –

何人か存在する「スケートめちゃめちゃ上手いカメラマン」のひとりwww

インスタグラムに速攻で「いいね!」してやったわwww

脱ネット・スマホ中毒 [ 遠藤美季 ]

価格:1,512円
(2016/10/3 04:22時点)
感想(0件)

フリーの演技の最後にバテバテとなる様子は、懐かしくもある場面でした。アイスショーを全休するほどの状況だったことを考えると、まだまだ身体づくりの段階のはず。怪我も完治ではないでしょうし、今後も無理は禁物です。こうした「上げようにもすぐには上がらない」という状況が、結果的に「早すぎる仕上がり」を遅らせてくれるのかな、と思います。そこで「あぁ、焦らなくても大丈夫なんだ」という自信を持ってもらえたら。生きているだけで消耗するような五輪シーズンを上手く乗り切る、いい経験になるはず。

すべては1年4ヶ月後のため。昨年は「SEIMEI」によって日本人のアイデンティティーと日本人としての所作を身につけ、今年は日本人の作った曲で現在進行形の日本に寄り添うのも、それが必要なステップだからでしょう。SPにはパリの散歩道のあのポーズのような動きがあり、フリーには荒川式のイナバウアーがあるのは、それが羽生結弦にとって意味ある動作だからでしょう。構成にも選曲にも衣装にも、少しずつ羽生結弦という選手が集大成に向かっていく感じが満ちてきています。思い出のすべてを詰め込んだ平昌になるよう祈りたい。もう事故とか怪我とか病気の経験は十分だと思うので、ここからは真っ直ぐ、それだけお願いします…!

全員伸ばしてくる中で、さらにそれをぶっちぎってこそ絶対王者です!

厳選!話題の記事