活きのいい人柱が噂のクソコラ本『WE LOVE フィギュアスケート』をつかまされたので、5000字ほど文句を言いますの巻。|ブログインデックス

勇気あふれる一冊にスタンディングリーディングオベーション!

いやー、久々にドキドキする体験でした。ページをめくるごとに心臓の鼓動が高鳴り、1行読むごとに大きく息をのむ。次々に的中していく不安たちと想定外の攻撃の数々に、僕は途中で赤ペンを投げ捨てました。これはもう直すとか直さないとかの段階ではありません。雑誌界の姉歯物件です。僕が赤ペンで書き込みを入れるべきは完成品ではなく、「企画書」の時点だったのです。

25日、僕は注目の雑誌を入手しました。フィギュア界のみなさんはご存じかもしれませんが、英和出版社なるよく知らない会社から出た「ゆづの魅力満載!!羽生結弦スペシャル WE LOVE フィギュアスケート」とかいうムック本です。真っ赤な表紙に「ゆづ」の文字。僕も相当なツワモノのつもりですが、さすがにちょっと恥ずかしくなってしまったので、相殺の意味をこめてプレイボーイと黄昏流星群で挟んで購入するハメに追い込まれてしまう、そんな攻撃的ムック本でした。

活きのいい人柱が噂のクソコラ本『WE LOVE フィギュアスケート』をつかまされたので、5000字ほど文句を言いますの巻。|ブログインデックス|画像ID:1

このような突き抜けた世界観の表紙は、僕のタイムラインに一大クソコラ大喜利大会を巻き起こしました。クソコラに次ぐクソコラの登場。それは、ある意味でこのムック本の大きな貢献であったかもしれません。クソコラを眺めている間、確かに楽しかった。それは否定しません。僕は自他ともに認める、クソのようなものを「いいクソだな」と思って愛せる特殊性癖の持ち主ですから。

しかし、ここでお知らせがあります。このムック本の役目はクソコラ大喜利大会の時点でほぼほぼ終了していたのです。今後、中身部分の役割に関しては、ほかの出版社・ほかの雑誌で引き継いでいただき、表紙画像だけを保存しておけば用は足りるということを、この場を借りて(※借りるワケじゃないが…)強くお伝えしたく思います。

「話のタネに表紙だけ10円で売ってくれ!」

まぁ、それだけ現在の羽生氏というのが、金の成る木なのでしょう。いろいろな人が寄ってきてそのお金を持っていく。それはジャンル全体を押し上げる過程において、牽引する立場の選手が耐えなければならない部分だとは思います。その意味では、誰を怒ろうとかいう気はサラサラありません。ただまぁ、せっかく人柱になったわけでもありますし、人柱なりに断末魔の叫びをあげるくらいは許されてしかるべきでしょう。誰かが本を出した。僕があーだこーだ言った。それでオシマイ。今日はそういう話です。そして、ひとしきりあーだこーだ言ったならスッキリ気持ちよくこのムック本を本棚の奥にしまいたい…そう思うのです。

ということで、小声でボソッと「ただし5000字ほど長々とあーだこーだ言うけどね…」とつぶやきつつ、英和出版社刊「ゆづの魅力満載!!羽生結弦スペシャル WE LOVE フィギュアスケート」を気持ちよく読み捨てていきましょう。

◆出せば何でも売れるという現実が、次の良作を生む糧でもある!

世間とは正直なもので、売れないモノは手をかけたところで売れませんし、売れるモノは何もしなくても売れます。僕の持論として、「買う・買わないの決断は中身を見る前におおよそ決まっている」というものがあります。出来の良し悪しは「満足度」に影響するパラメーター。買うかどうかは、告知で感じた夢や、商品のコンセプトでほぼ決まっているのです。

その意味で、「羽生結弦+クソコラ」というのは無念ながら買わざるを得ない物件でした。わかってはいたんです。それなりに人生経験もありますし。満足度の点で「姉歯をつかまされるだろうな」という未来は。しかし、姉歯物件でもまだ建っているマンションもあるわけで、ギリいけるんちゃう?という希望的観測もあったのです。実際にそれを手にするまでは…

↓とりあえず作り手の熱意と愛情が伝わる2作品でコイツの両脇をつかんで立たせるところから始めますね!

活きのいい人柱が噂のクソコラ本『WE LOVE フィギュアスケート』をつかまされたので、5000字ほど文句を言いますの巻。|ブログインデックス|画像ID:29

さぁ、イキのいい人柱が来たよ!

5000円もらえば何でも褒めるけど、放っておくと粘っこい文句を拡散するイヤなタイプの人柱だよ!

まず手にとった第一感想としては、「小せぇな…」というものでした。「ワールド・フィギュアスケート」とかのサイズを想定していたもので、ひとまわり小さいB5判でやってくるという不意打ちに面食らったのです。そのくせ「誌面巻頭に特大スペシャルグラビア!」と言い張るあたりには、なかなかの意志の強さを感じます。

↓表紙なのにキリヌキ雑だな…。
活きのいい人柱が噂のクソコラ本『WE LOVE フィギュアスケート』をつかまされたので、5000字ほど文句を言いますの巻。|ブログインデックス|画像ID:24

顔だけアップで背景はリンクの氷を活かす「白本」にすれば、切り抜かんでも済むだろ…。

ていうか、雑誌の表紙でキリヌキって大胆だな…。

そもそも、何でこの写真なんだよ…。

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感想(8件)

本書全体に貫かれている英語群。「I LOOK BACK TO 2015 OF FIGURE PLAYERS(フィギュア選手の2015年を振り返る?)」「AN IMPRESSION DELIGHT SAD RECOVERY(歓喜と悲哀に満ちた復活への軌跡、的な話?)」「ACTIVITY(現役選手?)」「LEGEND(引退選手?)」といった英文は、何となく言いたいことはわかるものの、文意はまったく理解できないという謎言語です。残念ながら僕は英語が堪能でなく、急所にナイフを突き立てることはできないのですが、たぶんコレがしっちゃかめっちゃかであろうことは確信しています。本書については、日本語もしっちゃかめっちゃかでしたので。

↓斬新な英文の数々は、SNSなどで使いたくなる魅力が満載!

●IT’S SPLENDID FORCEDLY(それは華麗なる無謀、とか?)
※怪我しても頑張ったことを指す模様

●Why do figure players charm us by this much?(何故フィギュア選手は私たちをこんなにも魅了するのだろう?、とか?)
※「this much」は最後まで理解できず

●I LOOK BACK TO RESULTS OF HANYU(羽生さんの結果を振り返る、の意?)
※ルックバックいる?

●JAPAN FIGURE SKATING CHAMPIONSHIPS 2014-2015(全日本フィギュアスケート選手権大会、のこと)
※2014で切るべきでは

●A HANDSAME PLAYER BESIDES YUZURU IS INTRODUCED(羽生さん以外のイケメン選手を紹介します、の意?)
※よくこれで伝わったなということにちょっと驚くなど

●THE MOST BEAUTIFUL TECHNIQUE IS SEEN(極上の技術をお見せしましょう、くらいの感じ?)

※モヤモヤーっと伝わるという意味ではOK

雰囲気だな!

全体的に雰囲気重視だな!

まぁ、表紙において高橋大輔の「高」が旧字体の「

パッと表紙を開くと、そこには羽生氏の笑顔の写真。写真自体はちゃんとしておりますが、ほぼすべての写真に「アフロ」の添え書きが。これはもちろん髪型を指すものではなく、世界的フォトエージェンシーのアフロ社から買ってきた写真であることを示すクレジット。昨今の羽生氏関連本にありがちな「アフロとかゲッティイメージズとかフォートキシモトから買ってきた写真を並べる」という構成を本書も踏襲している模様。

その意味で、写真での新発見はまずもってないでしょう。いい写真ならとっくにどこかで使われているはずですから。表紙で煽っていたスペシャルグラビアについては、全日本の表彰式とGPファイナルのメダルをお披露目する場面を大きく掲載し、英字で「SPECIAL GRAVURE」と添え書きしてありました。もはや「グラビアとは凹版印刷の一種で、写真画像の再現性が高いことから美術書などに広く利用され…」などという豆知識には何の意味もないことを感じさせます。「SPECIAL OFFSETだろ」と印刷所でツッコムべき事案だったかもしれません。

さて、本書の構成は基本的には「買った写真の紹介」なのですが、類似本と大きく異なる点があります。それは、やたらとテキストを書いてあること。内容的には、まぁ誰かが言っていそうなよくある話なのですが、写真に覆いかぶさる勢いでテキストを書いてきます。「せっかく買った写真が…」「文字に喰われて写真が…」「書かなくてもいい程度の内容で写真が…」など、テキスト大好きっ子たちを全面応援する編集スタンス、僕は嫌いではありません。(※好きでもないが)

↓本書はいくつかの章にわかれ、テキストと買った写真を紹介していく本です!

●P4-9:華麗なる羽生結弦
「怪我したけど復活した」という話を、買った写真を交えて熱っぽく語る。本書の結論は「羽生の強さと美しさを支えるのは、鋼の精神だった」。少し根拠レスに思い込みで断じていく感じは、雑誌よりインターネットでウケそうな雰囲気も。

●P10-14:ファッション2007-2015
「ワイルド&アダルト」と銘打ち衣装を紹介。とはいえ、各シーズンの衣装をコンプリートするということではない。写真が売っていないかもしれないので。シーズン1点というパターンも。改めて思うのは、雑誌の衣装紹介コーナーよりも熱心に「羽生記念切手」が衣装写真を紹介していたのは、何故だったのだろうということ。

●P15:目次

●P16-31:羽生結弦の華麗なる戦績

2014-15シーズンの試合結果を振り返る。買ってきた写真+テキストという構成は変わらないので、得点やプロトコルをコンプリートするというデータ的な役割は特にない。少し根拠レスに思い込みで断じていく感じは健在。改めて思うのは、雑誌の演目紹介コーナーよりも熱心に「羽生記念切手」が各演目の構成を紹介していたのは、何故だったのだろうということ。

●P32-41:新旧イケメン選手ピックアップ

ほかの雑誌にもありがちだが、いろいろな客層をとらえるためにいろいろな選手の写真を紹介していくコーナー。紹介されたのは、高橋大輔さん、織田信成さん、無良崇人さん、町田樹さんで各2Pずつ。「2014年-2015年フィギュア界を華麗に支えた男子たち」という触れ込みから、いきなり高橋大輔さんが出てくる流れには若干のタイムラグ感もあるが、とにかく写真を紹介したいという考えは理解できるので気にしない。町田さんの項では「今後は研究者として大学院進学を目指す」という記述もあったので、実際に少し前に書いたテキストなのかもしれない。

●P42-45:結弦とコーチ
コーチの写真を紹介するコーナー。特に採り上げる対象として、阿部奈々美氏とブライアン・オーサー氏を各2P採り上げる。「阿部」「安倍」と2種類の表記が混在するので、最近興味を持ち始めたファンを若干戸惑わせるかもしれない。なお、「2014年に阿部氏の振りつけで『花になれ』を踊ったときはファンの反応も殊の外よかった」という記述があるが、「花は咲く」のことだと思われる。

●P46-49:結弦とライバル
各国の有力選手の写真を紹介するコーナー。ハビエル・フェルナンデスさんを筆頭に、パトリック・チャンさん、ジェイソン・ブラウンさん、ナム・グエンさんを採り上げる。デニス・テンさんの写真は1回紹介すればたぶん十分だろうということで、このコーナーには加えなかった。

●P50-53:結弦と仲間
日本のライバルを紹介するという触れ込みのコーナー。しかし、使った写真は高橋大輔さんと織田信成さんのもの。テキストでは日野龍樹さん、田中刑事さんを紹介しているので、思い切ってそっちの写真でよかったのではないか。高橋さんの写真を1枚でも多く入れたいという判断かもしれないが…。

●P54-59:震災と五輪
東日本大震災にまつわるエピソードなどを、買ってきた写真とともに紹介するコーナー。当時の焦燥する姿などは特に採り上げず、当時出演したショーの写真などで構成する。羽生氏の浮上のキッカケを作った人物として文中に出てくる「田中岳斗」なる人物については今後の詳報を待ちたい。なお、アフロで写真を検索するとき「タナカガクト」「タムラガクト」では出てこないと思うので、ヤマトで検索するのがオススメ。

●P60-63:結弦15のトリビア
いわゆる小ネタ集。ネットを検索すれば出てくるかもしれないが、検索するのも面倒なので、それなりに有益ではある。ただ「モンスターハンターG4」なる見たことのない新作モンハンの名前も登場しており、真偽はそれなりにアヤしい。本末転倒だが、確認のために一回ネットで検索しておいたほうがいいかもしれない。

●P64-65:結弦語録
全盛期の中田英寿さんが「中田語録」という本を出版したが、それに匹敵するであろう羽生語録は残念ながら2Pでの紹介。過去の映像を見返してテキストを正確に起こすのは手間なので、やっておいてくれると助かるのだが、面倒くさいことはまったくやってくれない本書編集部にモヤモヤする。中田語録より羽生語録のほうが役立つと思うので、このコーナーはもっと増やしてOK。

●P66-71:結弦のスゴ技
高度な技術を披露した場面の写真を紹介するコーナー…なのだが、高度な技術の写真は売っていないことが多く、売っていても何をやっているのか静止画ではよくわからないため、荒川式イナバウアーなど目立つ小技の紹介になってしまった。「ゆづの身体は柔らかい!」というコーナータイトルだとしっくりくる。

●P72-75:プライベートショット
公式な場に出席したときのスーツ姿や、試合会場での写真、練習風景などが「プライベートショット」とは釈然としない気持ちが残るが、本当にプライベートな写真がアフロで売っているワケはない。売っていないものは載せられない。売ってないんだもん。

●P76-80:次世代のイケメン
散々「田中刑事と日野龍樹は同世代」と書いてきたあとで、次世代のイケメン枠で採り上げることには違和感を覚えなくもないが、まぁそういうコーナーなんだと思って受け入れるしかない。「あまりページは割けないがファンはいるだろう」セレクションといったところか。ちなみにココに添えられた英字は「I LOOK BACK TO RESULTS OF HANYU」だが、合っているのかどうかよくわからない。

●P81-90:インザアイスショー
アイスショーでの羽生氏の写真を紹介するコーナー。「アイスショーの羽生は基本的には戦闘モードを解除している。戦闘モードとは羽生から感じる『勝負オーラ』みたいなものだ。貪欲に勝利を狙うオーラといえばいいだろうか。ファンならなんとなく理解してもらえると思う」というフワッとした説明は、何となくわかったので、よかった。

著者の最近の作品をアマゾンで見たら「副業完全マニュアル」「鬼灯の冷徹 地獄のキャラ大図鑑」「新選組と見廻組」だった!

話題のテーマについて、ササッと調べてきて書くプロのようだぞ!

少しくらい「田中岳斗」さんにコラムでも書いてもらってもよかったかもしれない!

副業完全マニュアル

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感想(0件)

面倒臭くなってしまったので、いちいち間違いをあげつらったりはしませんが、おそらくはネットで書いてある元の情報(Wikipedia等)が間違っている場合はそのまま間違い、改変している間に新たな間違いを追加している感じだと思われますので、その辺をエンターテインメントとしてとらえることができる方にはオススメかと思います。いないかもしれませんが。

「写真を紙に印刷したものがほしい」という需要に関しては、紙の質であったり、オリジナル写真の無さであったり、テキストが被ってくる感じであったり、クソコラのほかに類似商品に対するアドバンテージはありません。写真が欲しければ写真集『YUZURU』を、テキストが欲しければ文芸春秋とか集英社とかから出ているちゃんとしたヤツを買えばよいように思います。そういうのにはオリジナルの写真も入っていますし。これから羽生氏について知りたい!という方は、DVD『覚醒の時』で過去演技の映像を眺めるほうが有益なように思います。

まぁ、こういうモノが出てくることまで含めて「ジャンルが盛り上がっている」という意味だと考えれば、現象自体は悪いことではありません。各員が許せる範囲で「つかまされる」ことで、「え、こんなものまで売れるの!?」と気づいた無関係各社からさまざまな企画…「毎日ゆづるカレンダー」とか「ゆづる育成アプリ」とか「なりきりゆづるボディースーツ」とかニッチな需要に応えるモノも出てくるでしょうから。

ちなみに、もしスタンディングリーディングするチャンスがあれば、ほかの雑誌群と見比べていただきたいのですが、驚くことにこのムック本にはただの1ヶ所も「広告」が載っていないのです。つまり広告料収入は一切アテにせず、フィギュアファンの財布だけを当て込んで作られた商品なのです。そうやって突っ込んでくる会社が出てくるくらい、今のフィギュア界が熱いということです。

ですので、どうぞファンのみなさんにおかれましては、ちょっとヘンなものをつかまされても懲りることなく、今後も市場を支えていってほしいものです。誰が考えても納得の商品…Numberみたいなヤツ以外の何かが飛び出てくるには、そうした支えが必要なのです。クソゲーの山の中に良作が混じっていた80年代ファミコンブームのように、クソコラの中に心ある良作が出てくるかもしれませんから。「もっとちゃんとしたのを作ります!」と、ぴあとかクイックジャパンあたりが立ち上がる未来、すぐ近くに見えていますからね。デザインも含めて似たようなヤツ、もうありますからね。

WE LOVE CARP(2014) [ 広島アスリートマガジン編集部 ]

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感想(1件)

この本に関しては僕がつかまされたんで、もうスルーでいいと思います!

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