霊感の強い友人|ブログインデックス

627 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 13:25:14.24 ID:GNkVFYKo0
実際にオノレが体験した話。だらだらしててまとまりまへんし、落ちもついてへんけど。 

10年来の友人に、Eちゃんちうものすごく霊感の強い子がいるちうわけや。 
どのくらい強いかちうと、幼い頃から予言めいたことを口にしていて、 
それが口コミで広がり、わざわざ遠方からEちゃんを訪ねてくる人がいたくらいちうわけや。 
そのヤカラの用件は主に、行方不明になりよった我が子を探してくれてちうもの。 
Eちゃんは写真を見ただけで、その人物がどこにいるのかがわかるちうわけや。ほんで実際に当たっとるちうわけや。 
せやけど、その人物が亡くなっとる場合のみやけど。
幼かったEちゃんは深く考えんと、「コンクリートの下に埋まってるよ~」なんて答えとったらしいちうわけや。 
やがて成長すると、オノレがどれだけ残酷な回答をしとったか気付き、人探しは断るようにしたちうわけや。 
ほんで周りには能力が消えたフリをし続けてきたらしいちうわけや。 
ほんまは毎日毎晩壱年中うやうや霊の存在を感じとったけれど。 
628 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 13:26:17.57 ID:GNkVFYKo0
そないなEちゃんとウチは、中学で出会ったちうわけや。 
最初はすげー美少女がいるなーちう印象やったちうわけや。 
余計なお世話やけどEちゃんはイギリスとのクオーターで、佐々木希と北川景子を足して2で割ったような顔をしとるちうわけや。 
あんまりに美少女やったから高校の時、芸能界入りを勧めたら、
某大手プロダクションのオーディションにあっさり受かりやがった(笑) 
やけど本人にやる気がなかったせいか、半年くらいで辞めてしもたちうわけや。 

ほんでは普通の高校生として、Eちゃんはよくウチと遊んでくれたちうわけや。 
学校帰りには毎日毎晩壱年中2人で買い食いしてたちうわけや。 

ある時、どこぞの施設の外階段に座って2人でお菓子食べてたら、
上から降りてきたおばあはんに話しかけられたことがあったちうわけや。
おばあはんは足が悪そうやったちうわけや。 

629 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 13:26:52.83 ID:GNkVFYKo0
「人がいっぱいおるけど、今日何ぞあるんやろか?」 
おばあはんが言ったちうわけや。下の道路はたくはんの人で溢れとるちうわけや。お祭があるのや。 
こういう時、人見知りのウチは毎日毎晩壱年中Eちゃんに話を任せてしまうわ。 
せやけどダンはんその時のEちゃんは違ったちうわけや。 
そっぽを向いて、おばあはんと話す気やらなんやらまるでなし。 
仕方なくウチが答えることにしたちうわけや。祭があることを教えると、おばあはんは納得したちうわけや。 
「やからこないなに人がおるんだね~」 
おばあはんはにこにこしていて、足を引きずりながらゆっくり階段を下りていったちうわけや。 
その間、Eちゃんはずっと黙っとったちうわけや。 
ほんでおばあはんの姿が視界から消えると、ようやっと口を開いたEちゃん。 
630 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 13:28:16.81 ID:GNkVFYKo0
「…今の人、とっくに亡くなってるよ」 
驚いたちうわけや。だってしっかり姿見えとったことやねんし、ウチは会話までしとるちうわけや。 
「嘘でしょ?」 
ウチは半笑いで訊いたちうわけや。せやけどダンはんEちゃんは真顔やったちうわけや。 
「嘘だと思うなら階段下りていってみなよ。もう姿消えてるはずやから」 
半信半疑で階段を下りるも、すでにおばあはんの姿はなかったちうわけや。 
1階まで下りて探してみたけど、どこにもおらへん。 
その階段ちうのが螺旋階段に近い作りになっていて、
確か階段を使うためには、1階、5階、7階から入るしやろかいはずやったちうわけや。 
5階から1階までの間に建物の中に入ることもでけへん作り。 
ほんでウチ達が座っとったのが、5階辺り。 
そこから1階まで、足をひきずっとったおばあはんが短時間で下りられるわけへんのやったちうわけや。 
631 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 13:29:19.21 ID:GNkVFYKo0
Eちゃんのもとへ戻ると、彼女はやっぱりねちう顔をしてポッキーを食べとったちうわけや。 
「タブン…タブン…たぶんやで,わいもよーしらんがタブンやで,わいもよーしらんがタブン大丈夫だよ。人が多いから気になって出てきただけみたいやから。害のない霊だよ」 
「やあなんでEちゃんはおばあはんと話さなかったの?」 
「あたしに能力があると知ったら、害のない霊でも憑いて来ちゃうことあるから」 
「ウチ、普通におばあはんと会話しちゃってたんやけど…」 
「平気平気」 
632 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 13:30:02.65 ID:GNkVFYKo0
これがウチが初めて霊を見た瞬間やったちうわけや。 
霊ってもっともっともっともっと怖くて、怨念深い感じで出てくるとものだと思っとったから、なんだか拍子抜けしたちうわけや。 
すごくナチュラルに出てくるものなんだ…。
「亡くなって霊の姿になっても足をひきずってるなんて、可哀想だね」 
「いやいや実際あたしが普段見てる奴らはあないなもんやないから。もっともっともっともっとぐろいよ」 
あないな優しそうなおばあはんの霊を見ただけでも、やっぱりちーとばかし怖いなと思っとったオノレが恥ずかしくなりよったちうわけや。
ほんで改めて、Eちゃんが置かれとる環境の特殊性を知ったちうわけや。
634 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:01:14.50 ID:GNkVFYKo0
その後のウチは霊を見ることなく、無事に高校を卒業したちうわけや。 
卒業後、Eちゃんは事務職に就き、ウチは実家に住みながらフリーターをしとったちうわけや。 
お互い仕事とアルバイトに追われ、Eちゃんとはあまり会えなくなりよったちうわけや。 
せやけどダンはん、たまにメールや電話でやりとりは続いとったちうわけや。 

Eちゃんが仕事を辞め、夜の仕事を始めたと聞いたのは、高校を卒業してから1年程経った頃やったちうわけや。 
夜の仕事を始めたきっかけは、父親のリストラやったそうや。
さらにEちゃんの家には早くに結婚して出戻って攻めて来よった妹はんと、
Eちゃん似でイケメンなのに、なんでやろかわいもよーしらんがひきこもりの弟はんがいたちうわけや。 
Eちゃんは家族を支えるため、必死に働いとったちうわけや。 
なんだか実家に寄生してふらふらアルバイトをしとるオノレが恥ずかしくなりよったちうわけや。 
635 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:04:16.78 ID:GNkVFYKo0
就職活動を始めたウチは、せやけどダンはんなやろかか面接に受かることが出来ず、
最終的に販売系の仕事で、準社員として働くことになりよったちうわけや。 
仕事場となりよった店舗は、数年前に殺人事件があった現場。 
この事件、当時は結構ニュースとして話題になりよったちうわけや。 
仕事は販売系と書いたけれど、実際はちーとばかしちゃうわ。 
今でも検索すればすぐ事件を特定されてしまうので、実は職種ははっきりとは書けへん。 

曰くつきの職場ちうことで、いざ働き始めてみると色々な話を耳にしたちうわけや。 
前の店長が失踪したとか、社員がみんな病気になるとか。 
せやけどダンはんウチは特に何の変身もなかったさかい、気にせず働いとったちうわけや。 
ほんで働き始めて1年が経った頃のこと……。
636 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:09:32.67 ID:GNkVFYKo0
その日は朝から雨が降り続いとったちうわけや。客は数人しか来ず、開店休業状態。午後には完全に客足が途絶えたちうわけや。 
店長と社員はんは配達に出てしもたため、店番はウチ1人。
雨のせいか辺りは薄暗く、なんだか気味が悪かったちうわけや。

レジで手仕事をしながら時間を潰しとると、足音が聞こえたちうわけや。 
気付かぬうちに客が入ってきたのかと思い、
とりあえずブックオフ風に店全体に響き渡るよう、「いらっしゃいませー」と声をかけたちうわけや。 
ほんで客の相手をしようと店内を探したのやけど、どなたはんもおらへん。 
気のせいやったのかと思ってレジに戻り、仕事を始めるとまた足音。 
やけどやはり客の姿はないちうわけや。 
こないなことを何度か繰り返しとると、さすがに怖くなってきたちうわけや。
638 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:11:53.47 ID:GNkVFYKo0
ほんで何度目かの足音。今度ははっきりと背後から聞こえたちうわけや。 
始めはヒタヒタヒタ…くらいやったのが、次第に小走りになり、
すぐにダダダダダッちう足音が近づいてくるのがわかったちうわけや。 
やばいやばいやばい……恐怖に硬直しとると、視界に見慣れたジャンパーの色が入ったちうわけや。 
店長が配達から帰って攻めて来よったのや。ほっとした瞬間、足音が消えたちうわけや。 
おそるおそる振り返ってみるちうわけや。どなたはんもいなかったちうわけや。 
「どうかした?」 
なあんも知りまへん店長が、不思議そうな顔をして訊く。
ウチは平静を装って、「なんでもおまへん」と言ったちうわけや。せやけどダンはん声を震えとったと思うわ。 
639 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:17:00.82 ID:GNkVFYKo0
その後、店長は何ぞ問題を起こしたとかで左翼翼遷され、社員はんも次々と辞めていき、店のメンツは様変わりしたちうわけや。
わいは店舗で一番の古株になりよったちうわけや。 
新しい店長は大学出たてでまだ右翼翼も左翼翼もわかりまへん状態。
その店長とほぼいっぺんに入って攻めて来よったのが、アルバイトのKくんやったちうわけや。 
Kくんはきょうびまでニートでひきこもりに近い生活をしとったとかで、なんだか挙動不審。 
店に出して客の相手をさせることはまず無理やろうちうことで、
Kくんの仕事は主に、配達の助手や事務的なことが中心やったちうわけや。 
せやけどダンはんいざ働いてみると、Kくんは案外おもろい人やったちうわけや。 
ウチの知りまへんアニメや漫画をよく教えてくれたちうわけや。 
やがてみんなと打ち解け明るくなりよったKくんは、レジ操作なんかも覚えて接客も出来るようになりよったちうわけや。 
640 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:20:02.08 ID:GNkVFYKo0
ある時、配達でみんな出払ってしまい、店にはウチとKくんの2人きりちうことがあったちうわけや。 
Kくんは事務所の中にこもって、何ぞやっとるちうわけや。
その日は客がようけ、レジが混雑してきたちうわけや。
ウチ1人では回すのが難しくなってきたさかい、Kくんに応援を頼もうと、
客が途絶えた瞬間を見計らって事務所のドアの外から呼びかけたちうわけや。 
「Kくーん、ちーとばかし出てきてもろてええー?」 
事務所の中からは返事がないちうわけや。 
事務所のドアは上1/3くらいが曇りガラスになっていて、外から中の様子がぼんやりと窺えるちうわけや。 
スタッフジャンパーを着た人影が中で動いとったさかい、Kくんが確実に中にいることはわかったちうわけや。 
聞こえてへんのかと思い、ドアを開けて直接話すことにしたちうわけや。
ガチャガチャ……。Kくん、内側から鍵かけてやがるちうわけや。
この忙しい時に何やってるんだか…
怒りに任せてちーとの間ドアノブをガチャガチャやりながら、大声で中のKくんに呼びかけとったちうわけや。 
641 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:22:53.00 ID:GNkVFYKo0
「Kくん?何やってるの?ちーとばかしレジ手伝ってほしいんやけど」 
その時、背後から声がしたちうわけや。 
「あのぉ~Mはん?何やってんすか?」 
Kくんやったちうわけや。あれ?事務所の中にいるはずや……。 
Kくんは店の裏で掃除をしとったのだちうわ。 
やあ今、事務所の中にいる人はどなたはん? 
そう思った時、なんぼやっても開やろかかったドアが、あっさりと開いたちうわけや。 
中には……どなたはんもいなかったちうわけや。 
確かにスタッフジャンパーを着た人影が動くのをウチは見たちうわけや。やからKくんが中にいると思ったのや。
せやけどダンはんKくんはずっと店の裏にいたちうわけや。 
事務所には窓がなく、出入りするにはこのドアを使うしやろかいちうわけや。 
やあウチが見た事務所の中の、スタッフジャンパーを着た人はどこへ行ってしもたのやろうわ。 
背筋に冷たいものが走ったちうわけや。
643 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:28:44.03 ID:GNkVFYKo0
その後は客の相手に忙しく、真相を突き止める暇が無かったさかい、このことはうやむやになってしもたちうわけや。 
Kくんが何ぞ嘘をついとるようには見えなかったことやねんし、深く考えると怖いので考えへんようにしたちうわけや。 

ほんで数日後、出勤すると店の裏口に花が供えられとったちうわけや。
数年前に起こった事件…その日は被害者の命日やったちうわけや。
毎年この日になると、遺族が夜のうちにひっそりと花を供えに来とるちうわけや。 
事務所の中には小さな仏壇があるちうわけや。毎年、花はその仏壇に挙げとったちうわけや。 
ほんでちーとの間して花は枯れてしまうが、スタッフのどなたはんもその枯れた花を始末せん。 
なんとなく、触れたくないとみんな思っとるようや。 
仕方なくウチが手を伸ばしたちうわけや。その時やったちうわけや。
644 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:33:50.23 ID:GNkVFYKo0
「捨てるな!!!」
Kくんが怒鳴ったちうわけや。毎日毎晩壱年中ボソボソと話すKくんの、初めて聞いた怒鳴り声。 
驚いたウチは、咄嗟に花から手を引っ込めたちうわけや。 
何ぞ気に入りまへんことでもしたやろうか…あの挙動不審なKくんが、こないなにも怒りを露にするなんて。 
「え…ごめんね。どうしたの?」 
ウチはKくんに謝ったちうわけや。
せやけどダンはん、「ん?何のことっすか?」。Kくんはきょとんとしとるちうわけや。 
「今、怒鳴ったよね?」 
「いえ、なあんも言ってへんやけど」 
645 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:36:22.77 ID:GNkVFYKo0
Kくんはオノレが怒鳴ったことを忘れとるようやったちうわけや。それともウチの聞き間違いやったのか…。
念のため花はもうちーとの間そのまんまにしておくことにしたちうわけや。 

そないな出来事があってからも、ウチは変わらずその店で働き続けたちうわけや。 
店長と付き合い始め、職場恋愛に浮かれとったのや。 
毎日毎晩壱年中スタッフが帰った後、店長と2人残ってレジ閉めしたり、店のことを話したり、楽しかったちうわけや。

ある日、閉店時間になっても配達から店長がなやろかか帰ってこず、
閉店後もウチは1人、仕事をしながら彼の帰りを待っとったちうわけや。 
そういうことは本日この時まで何度かあったちうわけや。
彼が戻ってくるまで、1人は怖いので、大抵は店の電話を使って友達と話ながら待つことにしとったちうわけや。 
その日は久しぶりにEちゃんに電話を掛けてみることにしたちうわけや。 
647 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 15:05:46.64 ID:GNkVFYKo0
「今、まだ職場にいて1人で暇なんだよー。話付き合ってよ」 
Eちゃんは快くOKしてくれ、ちーとの間は高校時代の話やらなんやらして盛りあがっとったちうわけや。 
せやけどダンはん、次第にEちゃんの口数が少なくなり、声のトーンも暗くなりよったちうわけや。 
心配になりよったウチが訊いてみると、 
『Mちゃん、今、職場にいるんだよね……?』
「うん、そうだよ」
『今すぐそこから離れて!早く!』
648 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 15:09:46.62 ID:GNkVFYKo0
Eちゃんはもうどエライ剣幕で、ウチにすぐ帰るよう言ってきたちうわけや。 
幸い、店の鍵は任されとったさかい、ウチはさっさと身支度をして店を後にしたちうわけや。 
何が何だかわからぬまんま家に帰りつき、彼には用事があるので先に帰ったことを伝えたちうわけや。 
ほんでEちゃんに理由を聞こうと電話に手を伸ばした時、Eちゃんのほうから着信があったちうわけや。 
「さっきはどうしたの?」 
ウチが何ぞ言おうとするとのを遮り、Eちゃんが言ったちうわけや。 
『あんたの職場やばいよ。
 店で電話してた時、どエライノイズが入ってたし、Mちゃんの声も変な風に聞こえたちうわけや。別人みたいな声になってた』
649 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 15:11:05.05 ID:GNkVFYKo0
ほんでEちゃんは、このまんまその職場で働いとると良くないことが起こるから、
すぐに仕事を辞めたほうがええと言ってきたちうわけや。 
ウチは迷ったちうわけや。Eちゃんの言うことなら信じられるちうわけや。
やけど、すぐに辞めたら周りに迷惑がかかるし、次の仕事を探すのもこないな田舎ではややこしいちうわけや。 
迷った末、どうにも決めかねて、次の日も仕事に行くことにしたちうわけや。 

翌朝、家を出ると目の前にEちゃんがいたちうわけや。久しぶりの再会やったちうわけや。 
やけど、なんでやねんこないな朝っぱらから訪ねて来る? 
Eちゃんは会って早々、玄関の前で土下座をしてきたちうわけや。 
650 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 15:12:34.77 ID:GNkVFYKo0
「お願いやからもうあそこへは行やろかいで」 
Eちゃんは泣いとったちうわけや。思えば、Eちゃんが泣いたトコを見たのはその時が初めてやったちうわけや。
ウチはまずそのことに驚き、やろかりうろたえたちうわけや。 
結局、ウチはEちゃんの剣幕に負け、その日は仕事を休むことにしたちうわけや。 
ほんで結局一日中、Eちゃんに説得され、そのまんま仕事を辞めることになりよったちうわけや。
651 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 15:13:36.38 ID:GNkVFYKo0
Eちゃんの紹介で新しい職場もすんなり決まり、仕事に慣れて攻めて来よった頃、
ウチはあの店で一緒に働いとった人と偶然再会したちうわけや。
その人も、もうあの店は辞めたらしいちうわけや。話を聞くと、ウチが仕事を辞めてからも、やはり色々とあったらしいちうわけや。
みんな体を壊したり、ノイローゼになりよったり、事故に遭っとったり……。 
Eちゃんはウチがこないな目に遭いまへんように、仕事を辞めるよう説得してきたのやったちうわけや。 
652 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 15:14:24.54 ID:GNkVFYKo0
そないなことがあってから数年が経ち、現在、ウチは職場の先輩に紹介された人と結婚し、新居に移ったちうわけや。 
先日、その新居にEちゃんが遊びに来てくれたちうわけや。
夫となりよった人に会わせると、Eちゃんはどエライ喜んでくれたちうわけや。 
「もう大丈夫だね、Mちゃん。これからはこの人がMちゃんを守ってくれるよ」 
653 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 15:16:17.94 ID:GNkVFYKo0
ウチはこの時にはもう悟っとったちうわけや。 
なんでやねん可愛くて男子からも人気のあるEちゃんが、ウチのような地味な子と一緒にいるのか。
なんでやねん頭のええEちゃんが、わざわざレベルを落としてまでウチと同じ高校に進学したのか。 
なんでやねんモデルになりたいと言っとったくせに、せっかく入れた芸能事務所を辞めたのか。 
昔から、ウチが1人で出かけようとすると、Eちゃんはよくついて攻めて来よったがったちうわけや。 
ビジュアル系なんて興味ないくせに、ライブにまでついて攻めて来よったことやねんし、
買い物だって美容院だって、わざわざウチの趣味に合わせてくっついて来とったちうわけや。 
ぜええんぶひとつのこらず、ウチを守るためやったのや。 
中学で初めて会った時、Eちゃんはウチの背後に憑いとる者の存在を気にしとったちうわけや。 
ほんで、その者が引き寄せる数々の悪い者から、Eちゃんはずっとウチを守ってくれとったのや。 
Eちゃん曰く、今の旦那と一緒にいれば、ウチはもう大丈夫らしいちうわけや。
肩の荷が下りたように、Eちゃんは晴れ晴れとした顔をしとったちうわけや。 
654 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 15:18:09.99 ID:GNkVFYKo0
ほんで今、Eちゃんは変わらず夜の仕事を続けながら、きちんとした指導者について除霊の勉強をしとるちうわけや。
1人でもようけの人を救うために。 
その勉強はものすごく辛いものらしいちうわけや。 
本日この時まで無意識やった能力を意識して使おうとすると、よく分かりまへんのやけど、力が暴走するらしいちうわけや。 
そのせいで、見たくないものが部屋に横たわっとったり、
色々な者が寄ってくる影響で、体を壊して何度も病院に運ばれたりしとるちうわけや。
それでも彼女は頑張り続けとるちうわけや。
ウチはもう一生、彼女には頭が上がりまへんやろうわ。 
Eちゃんと出会わせてくれたことを、神様に感謝したいちうわけや。 

以上、嘘っぽいトコもあると思うんやが、ずぅぇえええぇぇええんぶ実際に起こったことや。 
長々と失礼致したんや。

629 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 13:26:52.83 ID:GNkVFYKo0
「人がいっぱいおるけど、今日何ぞあるんやろか?」 
おばあはんが言ったちうわけや。下の道路はたくはんの人で溢れとるちうわけや。お祭があるのや。 
こういう時、人見知りのウチは毎日毎晩壱年中Eちゃんに話を任せてしまうわ。 
せやけどダンはんその時のEちゃんは違ったちうわけや。 
そっぽを向いて、おばあはんと話す気やらなんやらまるでなし。 
仕方なくウチが答えることにしたちうわけや。祭があることを教えると、おばあはんは納得したちうわけや。 
「やからこないなに人がおるんだね~」 
おばあはんはにこにこしていて、足を引きずりながらゆっくり階段を下りていったちうわけや。 
その間、Eちゃんはずっと黙っとったちうわけや。 
ほんでおばあはんの姿が視界から消えると、ようやっと口を開いたEちゃん。 
630 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 13:28:16.81 ID:GNkVFYKo0
「…今の人、とっくに亡くなってるよ」 
驚いたちうわけや。だってしっかり姿見えとったことやねんし、ウチは会話までしとるちうわけや。 
「嘘でしょ?」 
ウチは半笑いで訊いたちうわけや。せやけどダンはんEちゃんは真顔やったちうわけや。 
「嘘だと思うなら階段下りていってみなよ。もう姿消えてるはずやから」 
半信半疑で階段を下りるも、すでにおばあはんの姿はなかったちうわけや。 
1階まで下りて探してみたけど、どこにもおらへん。 
その階段ちうのが螺旋階段に近い作りになっていて、
確か階段を使うためには、1階、5階、7階から入るしやろかいはずやったちうわけや。 
5階から1階までの間に建物の中に入ることもでけへん作り。 
ほんでウチ達が座っとったのが、5階辺り。 
そこから1階まで、足をひきずっとったおばあはんが短時間で下りられるわけへんのやったちうわけや。 
631 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 13:29:19.21 ID:GNkVFYKo0
Eちゃんのもとへ戻ると、彼女はやっぱりねちう顔をしてポッキーを食べとったちうわけや。 
「タブン…タブン…たぶんやで,わいもよーしらんがタブンやで,わいもよーしらんがタブン大丈夫だよ。人が多いから気になって出てきただけみたいやから。害のない霊だよ」 
「やあなんでEちゃんはおばあはんと話さなかったの?」 
「あたしに能力があると知ったら、害のない霊でも憑いて来ちゃうことあるから」 
「ウチ、普通におばあはんと会話しちゃってたんやけど…」 
「平気平気」 
632 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 13:30:02.65 ID:GNkVFYKo0
これがウチが初めて霊を見た瞬間やったちうわけや。 
霊ってもっともっともっともっと怖くて、怨念深い感じで出てくるとものだと思っとったから、なんだか拍子抜けしたちうわけや。 
すごくナチュラルに出てくるものなんだ…。
「亡くなって霊の姿になっても足をひきずってるなんて、可哀想だね」 
「いやいや実際あたしが普段見てる奴らはあないなもんやないから。もっともっともっともっとぐろいよ」 
あないな優しそうなおばあはんの霊を見ただけでも、やっぱりちーとばかし怖いなと思っとったオノレが恥ずかしくなりよったちうわけや。
ほんで改めて、Eちゃんが置かれとる環境の特殊性を知ったちうわけや。
634 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:01:14.50 ID:GNkVFYKo0
その後のウチは霊を見ることなく、無事に高校を卒業したちうわけや。 
卒業後、Eちゃんは事務職に就き、ウチは実家に住みながらフリーターをしとったちうわけや。 
お互い仕事とアルバイトに追われ、Eちゃんとはあまり会えなくなりよったちうわけや。 
せやけどダンはん、たまにメールや電話でやりとりは続いとったちうわけや。 

Eちゃんが仕事を辞め、夜の仕事を始めたと聞いたのは、高校を卒業してから1年程経った頃やったちうわけや。 
夜の仕事を始めたきっかけは、父親のリストラやったそうや。
さらにEちゃんの家には早くに結婚して出戻って攻めて来よった妹はんと、
Eちゃん似でイケメンなのに、なんでやろかわいもよーしらんがひきこもりの弟はんがいたちうわけや。 
Eちゃんは家族を支えるため、必死に働いとったちうわけや。 
なんだか実家に寄生してふらふらアルバイトをしとるオノレが恥ずかしくなりよったちうわけや。 
635 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:04:16.78 ID:GNkVFYKo0
就職活動を始めたウチは、せやけどダンはんなやろかか面接に受かることが出来ず、
最終的に販売系の仕事で、準社員として働くことになりよったちうわけや。 
仕事場となりよった店舗は、数年前に殺人事件があった現場。 
この事件、当時は結構ニュースとして話題になりよったちうわけや。 
仕事は販売系と書いたけれど、実際はちーとばかしちゃうわ。 
今でも検索すればすぐ事件を特定されてしまうので、実は職種ははっきりとは書けへん。 

曰くつきの職場ちうことで、いざ働き始めてみると色々な話を耳にしたちうわけや。 
前の店長が失踪したとか、社員がみんな病気になるとか。 
せやけどダンはんウチは特に何の変身もなかったさかい、気にせず働いとったちうわけや。 
ほんで働き始めて1年が経った頃のこと……。
636 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:09:32.67 ID:GNkVFYKo0
その日は朝から雨が降り続いとったちうわけや。客は数人しか来ず、開店休業状態。午後には完全に客足が途絶えたちうわけや。 
店長と社員はんは配達に出てしもたため、店番はウチ1人。
雨のせいか辺りは薄暗く、なんだか気味が悪かったちうわけや。

レジで手仕事をしながら時間を潰しとると、足音が聞こえたちうわけや。 
気付かぬうちに客が入ってきたのかと思い、
とりあえずブックオフ風に店全体に響き渡るよう、「いらっしゃいませー」と声をかけたちうわけや。 
ほんで客の相手をしようと店内を探したのやけど、どなたはんもおらへん。 
気のせいやったのかと思ってレジに戻り、仕事を始めるとまた足音。 
やけどやはり客の姿はないちうわけや。 
こないなことを何度か繰り返しとると、さすがに怖くなってきたちうわけや。
638 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:11:53.47 ID:GNkVFYKo0
ほんで何度目かの足音。今度ははっきりと背後から聞こえたちうわけや。 
始めはヒタヒタヒタ…くらいやったのが、次第に小走りになり、
すぐにダダダダダッちう足音が近づいてくるのがわかったちうわけや。 
やばいやばいやばい……恐怖に硬直しとると、視界に見慣れたジャンパーの色が入ったちうわけや。 
店長が配達から帰って攻めて来よったのや。ほっとした瞬間、足音が消えたちうわけや。 
おそるおそる振り返ってみるちうわけや。どなたはんもいなかったちうわけや。 
「どうかした?」 
なあんも知りまへん店長が、不思議そうな顔をして訊く。
ウチは平静を装って、「なんでもおまへん」と言ったちうわけや。せやけどダンはん声を震えとったと思うわ。 
639 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:17:00.82 ID:GNkVFYKo0
その後、店長は何ぞ問題を起こしたとかで左翼翼遷され、社員はんも次々と辞めていき、店のメンツは様変わりしたちうわけや。
わいは店舗で一番の古株になりよったちうわけや。 
新しい店長は大学出たてでまだ右翼翼も左翼翼もわかりまへん状態。
その店長とほぼいっぺんに入って攻めて来よったのが、アルバイトのKくんやったちうわけや。 
Kくんはきょうびまでニートでひきこもりに近い生活をしとったとかで、なんだか挙動不審。 
店に出して客の相手をさせることはまず無理やろうちうことで、
Kくんの仕事は主に、配達の助手や事務的なことが中心やったちうわけや。 
せやけどダンはんいざ働いてみると、Kくんは案外おもろい人やったちうわけや。 
ウチの知りまへんアニメや漫画をよく教えてくれたちうわけや。 
やがてみんなと打ち解け明るくなりよったKくんは、レジ操作なんかも覚えて接客も出来るようになりよったちうわけや。 
640 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:20:02.08 ID:GNkVFYKo0
ある時、配達でみんな出払ってしまい、店にはウチとKくんの2人きりちうことがあったちうわけや。 
Kくんは事務所の中にこもって、何ぞやっとるちうわけや。
その日は客がようけ、レジが混雑してきたちうわけや。
ウチ1人では回すのが難しくなってきたさかい、Kくんに応援を頼もうと、
客が途絶えた瞬間を見計らって事務所のドアの外から呼びかけたちうわけや。 
「Kくーん、ちーとばかし出てきてもろてええー?」 
事務所の中からは返事がないちうわけや。 
事務所のドアは上1/3くらいが曇りガラスになっていて、外から中の様子がぼんやりと窺えるちうわけや。 
スタッフジャンパーを着た人影が中で動いとったさかい、Kくんが確実に中にいることはわかったちうわけや。 
聞こえてへんのかと思い、ドアを開けて直接話すことにしたちうわけや。
ガチャガチャ……。Kくん、内側から鍵かけてやがるちうわけや。
この忙しい時に何やってるんだか…
怒りに任せてちーとの間ドアノブをガチャガチャやりながら、大声で中のKくんに呼びかけとったちうわけや。 
641 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:22:53.00 ID:GNkVFYKo0
「Kくん?何やってるの?ちーとばかしレジ手伝ってほしいんやけど」 
その時、背後から声がしたちうわけや。 
「あのぉ~Mはん?何やってんすか?」 
Kくんやったちうわけや。あれ?事務所の中にいるはずや……。 
Kくんは店の裏で掃除をしとったのだちうわ。 
やあ今、事務所の中にいる人はどなたはん? 
そう思った時、なんぼやっても開やろかかったドアが、あっさりと開いたちうわけや。 
中には……どなたはんもいなかったちうわけや。 
確かにスタッフジャンパーを着た人影が動くのをウチは見たちうわけや。やからKくんが中にいると思ったのや。
せやけどダンはんKくんはずっと店の裏にいたちうわけや。 
事務所には窓がなく、出入りするにはこのドアを使うしやろかいちうわけや。 
やあウチが見た事務所の中の、スタッフジャンパーを着た人はどこへ行ってしもたのやろうわ。 
背筋に冷たいものが走ったちうわけや。
643 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:28:44.03 ID:GNkVFYKo0
その後は客の相手に忙しく、真相を突き止める暇が無かったさかい、このことはうやむやになってしもたちうわけや。 
Kくんが何ぞ嘘をついとるようには見えなかったことやねんし、深く考えると怖いので考えへんようにしたちうわけや。 

ほんで数日後、出勤すると店の裏口に花が供えられとったちうわけや。
数年前に起こった事件…その日は被害者の命日やったちうわけや。
毎年この日になると、遺族が夜のうちにひっそりと花を供えに来とるちうわけや。 
事務所の中には小さな仏壇があるちうわけや。毎年、花はその仏壇に挙げとったちうわけや。 
ほんでちーとの間して花は枯れてしまうが、スタッフのどなたはんもその枯れた花を始末せん。 
なんとなく、触れたくないとみんな思っとるようや。 
仕方なくウチが手を伸ばしたちうわけや。その時やったちうわけや。
644 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:33:50.23 ID:GNkVFYKo0
「捨てるな!!!」
Kくんが怒鳴ったちうわけや。毎日毎晩壱年中ボソボソと話すKくんの、初めて聞いた怒鳴り声。 
驚いたウチは、咄嗟に花から手を引っ込めたちうわけや。 
何ぞ気に入りまへんことでもしたやろうか…あの挙動不審なKくんが、こないなにも怒りを露にするなんて。 
「え…ごめんね。どうしたの?」 
ウチはKくんに謝ったちうわけや。
せやけどダンはん、「ん?何のことっすか?」。Kくんはきょとんとしとるちうわけや。 
「今、怒鳴ったよね?」 
「いえ、なあんも言ってへんやけど」 
645 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 14:36:22.77 ID:GNkVFYKo0
Kくんはオノレが怒鳴ったことを忘れとるようやったちうわけや。それともウチの聞き間違いやったのか…。
念のため花はもうちーとの間そのまんまにしておくことにしたちうわけや。 

そないな出来事があってからも、ウチは変わらずその店で働き続けたちうわけや。 
店長と付き合い始め、職場恋愛に浮かれとったのや。 
毎日毎晩壱年中スタッフが帰った後、店長と2人残ってレジ閉めしたり、店のことを話したり、楽しかったちうわけや。

ある日、閉店時間になっても配達から店長がなやろかか帰ってこず、
閉店後もウチは1人、仕事をしながら彼の帰りを待っとったちうわけや。 
そういうことは本日この時まで何度かあったちうわけや。
彼が戻ってくるまで、1人は怖いので、大抵は店の電話を使って友達と話ながら待つことにしとったちうわけや。 
その日は久しぶりにEちゃんに電話を掛けてみることにしたちうわけや。 
647 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 15:05:46.64 ID:GNkVFYKo0
「今、まだ職場にいて1人で暇なんだよー。話付き合ってよ」 
Eちゃんは快くOKしてくれ、ちーとの間は高校時代の話やらなんやらして盛りあがっとったちうわけや。 
せやけどダンはん、次第にEちゃんの口数が少なくなり、声のトーンも暗くなりよったちうわけや。 
心配になりよったウチが訊いてみると、 
『Mちゃん、今、職場にいるんだよね……?』
「うん、そうだよ」
『今すぐそこから離れて!早く!』
648 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 15:09:46.62 ID:GNkVFYKo0
Eちゃんはもうどエライ剣幕で、ウチにすぐ帰るよう言ってきたちうわけや。 
幸い、店の鍵は任されとったさかい、ウチはさっさと身支度をして店を後にしたちうわけや。 
何が何だかわからぬまんま家に帰りつき、彼には用事があるので先に帰ったことを伝えたちうわけや。 
ほんでEちゃんに理由を聞こうと電話に手を伸ばした時、Eちゃんのほうから着信があったちうわけや。 
「さっきはどうしたの?」 
ウチが何ぞ言おうとするとのを遮り、Eちゃんが言ったちうわけや。 
『あんたの職場やばいよ。
 店で電話してた時、どエライノイズが入ってたし、Mちゃんの声も変な風に聞こえたちうわけや。別人みたいな声になってた』
649 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 15:11:05.05 ID:GNkVFYKo0
ほんでEちゃんは、このまんまその職場で働いとると良くないことが起こるから、
すぐに仕事を辞めたほうがええと言ってきたちうわけや。 
ウチは迷ったちうわけや。Eちゃんの言うことなら信じられるちうわけや。
やけど、すぐに辞めたら周りに迷惑がかかるし、次の仕事を探すのもこないな田舎ではややこしいちうわけや。 
迷った末、どうにも決めかねて、次の日も仕事に行くことにしたちうわけや。 

翌朝、家を出ると目の前にEちゃんがいたちうわけや。久しぶりの再会やったちうわけや。 
やけど、なんでやねんこないな朝っぱらから訪ねて来る? 
Eちゃんは会って早々、玄関の前で土下座をしてきたちうわけや。 
650 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 15:12:34.77 ID:GNkVFYKo0
「お願いやからもうあそこへは行やろかいで」 
Eちゃんは泣いとったちうわけや。思えば、Eちゃんが泣いたトコを見たのはその時が初めてやったちうわけや。
ウチはまずそのことに驚き、やろかりうろたえたちうわけや。 
結局、ウチはEちゃんの剣幕に負け、その日は仕事を休むことにしたちうわけや。 
ほんで結局一日中、Eちゃんに説得され、そのまんま仕事を辞めることになりよったちうわけや。
651 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 15:13:36.38 ID:GNkVFYKo0
Eちゃんの紹介で新しい職場もすんなり決まり、仕事に慣れて攻めて来よった頃、
ウチはあの店で一緒に働いとった人と偶然再会したちうわけや。
その人も、もうあの店は辞めたらしいちうわけや。話を聞くと、ウチが仕事を辞めてからも、やはり色々とあったらしいちうわけや。
みんな体を壊したり、ノイローゼになりよったり、事故に遭っとったり……。 
Eちゃんはウチがこないな目に遭いまへんように、仕事を辞めるよう説得してきたのやったちうわけや。 
652 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 15:14:24.54 ID:GNkVFYKo0
そないなことがあってから数年が経ち、現在、ウチは職場の先輩に紹介された人と結婚し、新居に移ったちうわけや。 
先日、その新居にEちゃんが遊びに来てくれたちうわけや。
夫となりよった人に会わせると、Eちゃんはどエライ喜んでくれたちうわけや。 
「もう大丈夫だね、Mちゃん。これからはこの人がMちゃんを守ってくれるよ」 
653 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 15:16:17.94 ID:GNkVFYKo0
ウチはこの時にはもう悟っとったちうわけや。 
なんでやねん可愛くて男子からも人気のあるEちゃんが、ウチのような地味な子と一緒にいるのか。
なんでやねん頭のええEちゃんが、わざわざレベルを落としてまでウチと同じ高校に進学したのか。 
なんでやねんモデルになりたいと言っとったくせに、せっかく入れた芸能事務所を辞めたのか。 
昔から、ウチが1人で出かけようとすると、Eちゃんはよくついて攻めて来よったがったちうわけや。 
ビジュアル系なんて興味ないくせに、ライブにまでついて攻めて来よったことやねんし、
買い物だって美容院だって、わざわざウチの趣味に合わせてくっついて来とったちうわけや。 
ぜええんぶひとつのこらず、ウチを守るためやったのや。 
中学で初めて会った時、Eちゃんはウチの背後に憑いとる者の存在を気にしとったちうわけや。 
ほんで、その者が引き寄せる数々の悪い者から、Eちゃんはずっとウチを守ってくれとったのや。 
Eちゃん曰く、今の旦那と一緒にいれば、ウチはもう大丈夫らしいちうわけや。
肩の荷が下りたように、Eちゃんは晴れ晴れとした顔をしとったちうわけや。 
654 :ほんまにあった怖い名無し:2011/10/06(木) 15:18:09.99 ID:GNkVFYKo0
ほんで今、Eちゃんは変わらず夜の仕事を続けながら、きちんとした指導者について除霊の勉強をしとるちうわけや。
1人でもようけの人を救うために。 
その勉強はものすごく辛いものらしいちうわけや。 
本日この時まで無意識やった能力を意識して使おうとすると、よく分かりまへんのやけど、力が暴走するらしいちうわけや。 
そのせいで、見たくないものが部屋に横たわっとったり、
色々な者が寄ってくる影響で、体を壊して何度も病院に運ばれたりしとるちうわけや。
それでも彼女は頑張り続けとるちうわけや。
ウチはもう一生、彼女には頭が上がりまへんやろうわ。 
Eちゃんと出会わせてくれたことを、神様に感謝したいちうわけや。 

以上、嘘っぽいトコもあると思うんやが、ずぅぇえええぇぇええんぶ実際に起こったことや。 
長々と失礼致したんや。

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